考え方基礎 ・ 約4分統計・データの読み方制度確認: 2026年9月
過去の暴落から学ぶ — どれだけ下がり、戻るまで何年かかったか
日経平均と米国株(S&P 500)の主な暴落を、直前の高値からの下落率と、元の水準に戻るまでの期間で並べました。下落率は2〜6割(バブル崩壊は8割)、戻るまでは数か月から34年。積み立て中の人と、使い始める人とでは意味が違います。
執筆視点: データサイエンティスト / 新人研究員ロイがきいて、先輩ポコがこたえる対話形式です
ロイ(新人研究員)
先輩、2024年8月5日に日経平均が1日で12%も下がった日のこと、まだ覚えてます。ああいう暴落って、昔はもっとひどかったんですか?
ポコ(先輩研究員)
数字で並べてみよう。直前の高値(終値)から安値(終値)までどれだけ下がったかと、その高値をもう一度上回るまで何年かかったか。日経平均と、米国のS&P 500の主な暴落を一次データから拾った表がこれ。
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ポコ(先輩研究員)
1日の下落率で言えば、1987年10月20日(ブラックマンデー翌日)の−14.9%が今も日経平均の最大で、2024年8月5日の−12.4%は2番目(円の下げ幅では2024年8月5日の4,451円が過去最大)。ただ、家計に効くのは1日の下げより「そこから何年、元に戻らなかったか」のほうなんだ。
表から読める3つのこと
ロイ(新人研究員)
どう読めばいいですか?
ポコ(先輩研究員)
①下落率は2割〜6割が普通で、バブル崩壊(1989年→2009年)の−81.9%は別格。②戻るまでの時間はバラバラ。コロナショックは日米とも1年以内に戻ったけど、リーマンショックは日経平均で7年半、S&P 500で5年半。ITバブル崩壊は日経平均で15年。そしてバブル崩壊の高値38,915円を上回ったのは34年後の2024年2月だった。③米国株なら安全、でもない。S&P 500も2000年と2007年の高値からは半分になり、戻るまで5〜7年かかっている。
ロイ(新人研究員)
34年って、働いている期間のほとんどじゃないですか…。
ポコ(先輩研究員)
そう。だから「長期なら必ず戻る」とは言えない。これは株価だけの指数(配当を含まない)だから、配当を再投資していれば実際の回復はもう少し早いけど、それでも「戻るまで待てる時間があるか」が、暴落のダメージを決めるんだ。
積み立て中の人と、使い始める人で意味が違う
ロイ(新人研究員)
ぼくはまだ積み立て中なんですけど、それでも怖いです。
ポコ(先輩研究員)
積み立て中の暴落は、同じ金額で多くの口数を買える期間でもある。リーマンショックの安値(2009年3月)から日経平均が高値を回復した2015年までの間に積み立てた分は、安く買えた分だけ回復時に増えている。逆に使う直前・使い始めた直後の暴落は取り返す時間がない。これが「使う時期が近づいたらリスクを下げる」という考え方の根拠だよ(→「使う時期が近づいたら、リスクはどうする?」)。
ロイ(新人研究員)
おかねラボで、暴落が来たらどうなるかは見られますか?
ポコ(先輩研究員)
2つある。①モンテカルロは、入力した「ブレ幅(標準偏差)」で何千通りもの値動きを試すから、大きく下がる年を含む道筋も入っていて、「100歳まで資産がもつ確率」がその答え。ただし年ごとに独立したブレを振る単純な仕組みなので、バブル崩壊のように8割下がって30年以上戻らないような道筋までは再現しない(→「このシミュレーションに入っているもの・いないもの」)。表の「最悪」は、確率とは別に頭に置いておく材料だよ。②入力タブ→資産・運用→「年齢で運用前提を変える」で、使う直前だけブレ幅を小さくした場合と比べられる。さらに生活防衛資金(→「生活防衛資金って、結局いくら?」)があれば、暴落の最中に売らされずに済む。※ここでの数字は過去の指数の記録で、将来の値動きを約束するものではないし、特定の商品の推奨でもないよ。
出典(一次資料)
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