考え方基礎 ・ 約1分確率・シミュレーション
なぜ「確率」で出すのか — 平均だけを信じない理由
「平均リターン」で計算すると、実は「うまくいく前提」に偏ります。確率で見る意味を、順番のリスクから説明します。
執筆視点: データサイエンティスト / 新人研究員ロイがきいて、先輩ポコがこたえる対話形式です
ロイ(新人研究員)
先輩、シミュレーションの結果って平均値でみればいいんですか?
ポコ(先輩研究員)
それが実は落とし穴なんだ。一本の平均線で計算するとうまくいく前提に寄っちゃう。現実のリターンは年ごとにブレるからね。
ロイ(新人研究員)
ブレても平均が同じなら、結果も同じじゃないんですか?
ポコ(先輩研究員)
ここが面白いところ。同じ平均でも悪い年が先に来るだけで結果が大きく変わるんだ。取り崩し中に最初に下がると、減った資産から生活費を引くことになって、回復の余力が削られる。
順番のリスク(sequence of returns risk)
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ポコ(先輩研究員)
逆に良い年が先なら、同じ平均でも長持ちする。平均だけ見ると、この順番の影響がまるごと抜け落ちるんだ。
ロイ(新人研究員)
じゃあ、どうやって備えるんですか?
ポコ(先輩研究員)
ブレ方に沿ってランダムな未来を何百〜何千通りも作って、何%で資産が持ちこたえたかを数えるんだ。これがモンテカルロ法。たとえば「92%もちこたえる」みたいに出す方が、言い切るより誠実だし、積立や取り崩し時期の調整も促しやすいでしょ。
ポコ(先輩研究員)
おかねラボは中央値(まん中の未来)だけじゃなく、上と下の帯も見せる。うまくいく話とそうでない話を、同じ画面で確認できるよ。
出典(一次資料)
- W.P.Bengen (1994) / Cooley, Hubbard & Walz『Trinity Study』(1998) — 取り崩しと順序リスクの原典
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