考え方応用 ・ 約2分確率・シミュレーション
成功確率は何%なら安心? 下がったらどうする?
「もちこたえる確率92%」をどう受け止めるか。100%を目指すことの副作用と、下振れ時の立て直し方。
執筆視点: データサイエンティスト / 新人研究員ロイがきいて、先輩ポコがこたえる対話形式です
ロイ(新人研究員)
先輩、シミュレーションを回したら「もちこたえる確率92%」って出たんですけど…裏を返せば8%は失敗ってことですか? ちょっとこわいです…。
ポコ(先輩研究員)
92%はこう読んでね。未来を1,000通りシミュレーションして、920通りで資産が最後まで持った、という意味なんだ。1,000通りの違いは、投資部分のリターン——運用成績の良し悪しと、その順番——だけ。収入・支出・現金・インフレは、あなたが入れた前提のまま固定だよ。つまりサイコロを振っているのは「投資がどう転ぶか」だけ。残りの8%は「運の悪い相場が続いて、しかも途中で何も手を打たなかったら」の筋書き。現実のあなたは途中で気づいて、積立や支出を調整できる。だからこの数字は宣告じゃなくて、早めに気づくための警報なんだ。
ロイ(新人研究員)
じゃあ、100%になるまで貯めれば完璧ということでしょうか?
ポコ(先輩研究員)
それには副作用があるんだ。100%を目指すというのは、最悪級の未来にも耐える準備をするということ。そのために現役時代の楽しみを削りすぎると、おかねを使わないまま人生が終わるという別の失敗が起きる。確率の数字は、安心と使いすぎのバランスを取るための道具であって、100点を取るテストじゃないんだよ。
下がったときの3つのレバー
ロイ(新人研究員)
もし途中で確率が下がってきたら、何をすればいいんですか?
ポコ(先輩研究員)
動かせるレバーは大きく3つ。①支出 — 取り崩す額を数年だけ抑える(相場が悪い時期にたくさん売らない)。②収入 — 働く期間を少し延ばす、または少しだけ働く。③積立 — 現役なら積立額を見直す。どれも「少し」で確率は大きく改善することが多い。だから定期的に見直して、早めに小さく直すのがコツなんだ。
ロイ(新人研究員)
ぼくみたいな若い人だと、確率が低く出やすいって聞いたんですけど…
ポコ(先輩研究員)
いいところに気づいたね。計画が長いほど、ブレが積み重なる年数も長い。だから20代が100歳までの計画を立てると、中身が健全でも50%前後に出やすいんだ。低く見えるのは設計が悪いからじゃなくて、遠い未来ほど幅が広い、という正直な表現なんだよ。
ポコ(先輩研究員)
それに、若さは最大のレバーでもある。軌道修正できる回数がいちばん多いからね。この数字は「いま決めたまま何十年も何も変えなかったら」の値。年に一度くらい見直して少しずつ直していけば、確率は自然とついてくるよ。
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ポコ(先輩研究員)
おかねラボなら、そのレバーをもしもタブで1つずつ試して、確率がどれだけ戻るかを見比べられる。数字が下がっても慌てず、どのレバーが一番効くかを確かめてから動こう。
出典(一次資料)
- Cooley, Hubbard & Walz『Trinity Study』(1998) — 成功確率という考え方の原典
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