老後・年金応用 ・ 約1分ライフプランニング
年金は物価ほどは増えない — マクロ経済スライドのきほん
物価が上がると年金も増えますが、同じだけは増えません。少しずつ実質目減りする仕組みと、おかねラボでの扱いを説明します。
執筆視点: ファイナンシャルプランナー / 新人研究員ロイがきいて、先輩ポコがこたえる対話形式です
ロイ(新人研究員)
ポコ先輩、年金って物価が上がったら同じだけ増えるんですよね?
ポコ(先輩研究員)
惜しい。方向は同じだけど、同じだけは増えないんだ。年金の改定率は、物価や賃金の伸びから「マクロ経済スライド」という調整分を差し引いて決まる。年金を支える現役世代が減って、受け取る期間(寿命)は延びていくぶん、給付の伸びを少しずつ抑える仕組みだよ。
ロイ(新人研究員)
どのくらい引かれるんですか?
ポコ(先輩研究員)
年によって違うけど、これまでおおむね年0.2〜0.6%ポイントの範囲。たとえば物価が2%上がった年に年金の改定が1.5%なら、差の0.5%ぶんだけ実質価値が目減りする。1年では小さくても、老後の30年ではじわじわ効いて、合計で1〜2割の差になり得るんだ。
デフレの年には効かない
ロイ(新人研究員)
物価が下がった年はどうなるんですか?
ポコ(先輩研究員)
名目の年金額を下げてまでは調整しない決まりになっている(引き切れなかった分は翌年以降に持ち越し)。だから物価が上がるときにだけ、じわっと効く仕組みだと思っておくといいよ。
ロイ(新人研究員)
おかねラボは、これをどう計算しているんですか?
ポコ(先輩研究員)
公的年金は、物価スライドから年0.5%を差し引いた率で改定する近似にしているよ(名目のマイナス改定はしない)。だから「いまのお金」で見ると、受給が始まったあと年金がじわじわ下がって見える——これはバグじゃなくて、この制度をそのまま映したものなんだ。満額の物価スライドで計算すると、老後の年金を1〜2割多く見積もってしまうからね。
ロイ(新人研究員)
え、下がるのはこの仕組みのせいだったんですね。知らなかった…
ポコ(先輩研究員)
多くの人がそうだよ。この目減りに「気づける」ことが、実はこのシミュレーションの一番の価値なんだ。将来が不安なら「もしも」タブで『年金がさらに1割減ったら?』と厳しめも試せる。逆に、繰下げ受給で増やす手もある(→「繰下げ受給」の記事)。知ったうえで手を打てるのが強みだよ。
出典(一次資料)
- 厚生労働省 いっしょに検証!公的年金(マクロ経済スライド)
- 厚生労働省 令和8年度の年金額改定
つづけて読む
本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言・保険募集ではありません。制度の内容は執筆時点のものであり、将来変わる可能性があります。個別の税務・社会保険の取り扱いは各制度の窓口や専門家にご確認ください。 プライバシーポリシー ・ 特定商取引法に基づく表記 ・ 利用規約