家計・守り応用 ・ 約3分不動産制度確認: 2026年8月
住宅ローンの借り換え、いつやる価値がある? — 3つの目安と控除の落とし穴
効きやすい3条件(金利差・残高・残期間)と諸費用の回収という見方、期間短縮で住宅ローン控除が消える落とし穴、そして変動→固定は「保険を買う話」という整理まで、借り換えの判断軸を1本にまとめます。
執筆視点: ファイナンシャルプランナー / 新人研究員ロイがきいて、先輩ポコがこたえる対話形式です
ロイ(新人研究員)
先輩、週末に会った叔父が「住宅ローンを借り換えたら利息が何十万円も減った」って自慢してたんです。借り換えって、いま借りてるローンを別のに乗り換えるってことですよね? そんなにおいしい話なんですか?
ポコ(先輩研究員)
仕組みはシンプルで、新しいローンを借りて、いまのローンを一括返済するだけ。金利の低いローンに乗り換えれば、残りの利息がまるごと軽くなる。効きやすさの昔からの目安は3つ — ①いまとの金利差が大きい(かつては1%程度が目安と言われた)、②残高が多い(1,000万円以上)、③残り期間が長い(10年以上)。利息はざっくり「残高×金利×期間」で決まるから、3つとも大きいほど削れる利息も大きい、という理屈だね。ただしこれはあくまで経験則で、諸費用しだいではもっと小さい金利差でも効くことがある。最後は自分の数字でシミュレーションして確かめるものだよ。
ロイ(新人研究員)
でも、タダで乗り換えられるわけじゃないですよね?
ポコ(先輩研究員)
そこが大事。借り換えには諸費用がかかる — 新しいローンの事務手数料や保証料、いまの抵当権を消して設定し直す登録免許税、司法書士への報酬、契約書の印紙税など。合計で数十万円規模になることが多い。だから判定は「減る利息 − 諸費用」がプラスかどうか。言い換えると諸費用を何年で回収できるかという見方をする。回収し終わる前に売却や完済の予定があるなら、表面上お得に見えても見送りが正解になることもあるよ。
住宅ローン控除が消える落とし穴
ロイ(新人研究員)
借り換えたら、住宅ローン控除はどうなっちゃうんですか?
ポコ(先輩研究員)
条件を満たせば続けられる。要件は①新しいローンが当初のローンの返済のためのものであることが明らか、②新しいローンの償還期間が10年以上の2つ(控除を受けられる年数は当初の入居年から数えたままで、借り換えで延びはしない)。こわいのは、月々の負担を変えずに期間を短くして借り換えるケース。当初契約の最初の返済月から、新しいローンの最終返済月までの通算が10年を切ると、その年以後は控除が受けられなくなるんだ。繰上げ返済のときと同じ「通算10年」の判定だね。控除期間が残っている人は、期間を詰めすぎないよう要注意。
変動→固定は「保険」を買う話
ロイ(新人研究員)
金利が上がるってニュースを見るたび、変動で借りてる職場の先輩がそわそわしてます。いまのうちに固定へ借り換えるのは、ありなんですか?
ポコ(先輩研究員)
それは「得する借り換え」とは別の話で、保険料を払って不確実性を減らす取引なんだ。固定金利はふつう変動より高いから、その上乗せ分が保険料。将来の金利を当てられれば正解が分かるけど、それは誰にもできない。だから問いは「どっちが得か」じゃなくて、「金利が上がったとき、うちの家計は耐えられるか」。耐えられないなら保険料を払う価値があるし、貯蓄が厚くて耐えられるなら変動のまま保険料を節約する、という整理だよ。
ポコ(先輩研究員)
ひとつ補足すると、変動の5年ルール・125%ルール(元利均等なら返済額の見直しは通常5年ごと・増えてもそれまでの返済額の25%増が上限)は、返済額の急変をゆるめる仕組みであって、利息をまけてくれる仕組みじゃない。金利が急に上がると、毎月の返済額に収まらない利息=未払い利息が発生して、払っているのに元金が減らない状態になり得る。「ルールがあるから安心」ではないんだ。
ポコ(先輩研究員)
最後に、借り換えは団信(団体信用生命保険)を見直す機会でもある。新しいローンでは団信も入り直しになるから、保障を手厚くする選択肢が出てくる一方、健康状態の告知によっては通らないこともある。おかねラボの入力タブで、毎月の返済と残り年数を借り換え後の条件に書き換えれば、毎月の家計から人生全体の資産推移まで、乗り換えた後の姿をシミュレーションしてから金融機関に相談するのがおすすめだよ。※特定のローン商品や借り換え先をすすめるものではないよ。
出典(一次資料)
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