家計・守り基礎 ・ 約2分不動産制度確認: 2026年8月
住宅ローン、いくらまで借りていい? — 「借りられる額」≠「返せる額」
審査は額面年収の30〜35%まで通りますが、手取りに直すと重さがまるで違います。安全な上限は毎月の返済比率ではなく、完済年齢まで含めた人生全体のシミュレーションで確かめるもの、という話。
執筆視点: ファイナンシャルプランナー / 新人研究員ロイがきいて、先輩ポコがこたえる対話形式です
ロイ(新人研究員)
先輩、住宅情報サイトで年収を入れたら「あなたは5,000万円まで借りられます!」って出たんです。銀行が貸してくれる額なら、それだけ借りても大丈夫ってことですよね?
ポコ(先輩研究員)
そこが住宅ローン最大の落とし穴。あれは「借りられる額」であって「返せる額」じゃないんだ。審査の代表的な基準がフラット35(住宅金融支援機構)の総返済負担率で、額面年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下(自動車ローンなども含む、すべての借入の年間返済額の合計÷年収)。ここでいう年収は、税金や社会保険料を引く前の額面なんだよ。
ロイ(新人研究員)
額面の35%って、そんなにまずい数字なんですか?
ポコ(先輩研究員)
手取りに直すと重さが変わる。額面600万円の会社員なら、手取りはざっくり460万円前後。額面の35%=年210万円(月17.5万円)の返済は、手取りベースだと約46% — 手取りの半分近くが返済に消える計算だ。ここに固定資産税や修繕費(「住宅は価格以外にいくらかかる?」の記事)、教育費、老後の積立が乗ると、家計の余白はかなり細る。「審査に通る」と「家計が回る」は、別の問題なんだ。
返済負担率は「手取り」で見る
ポコ(先輩研究員)
だから自分で判断するときは、分母を手取りに置き換えるのが第一歩。よく言われる目安は手取り年収の20〜25%以内なら無理が出にくい、というライン(これは経験則で、法律や審査の基準ではないよ)。共働きならもう一つ — どちらかの収入が減っても回るかも見ておきたい。育休・時短・転職は、35年の間にはふつうに起きることだからね。
ロイ(新人研究員)
完済年齢って、気にした方がいいんですか?
ポコ(先輩研究員)
すごく大事。フラット35は借入期間15〜35年で、「80歳−申込時の年齢」まで組める。つまり45歳で35年ローンを組むと完済は80歳 — 年金生活のまん中まで返済が続く設計になる。審査上は組めても、65歳以降の返済原資は何か(年金? 退職金? 貯蓄?)を先に考えておかないと、老後の計画ごと苦しくなる。定年までに残高がいくら残るかは必ず見ておこう。
ロイ(新人研究員)
じゃあ結局、ぼくはいくらまで借りていいんでしょう?
ポコ(先輩研究員)
万人共通の「正解額」はないんだ。毎月の返済比率は「今この瞬間」の切り取りにすぎなくて、本当に知りたいのは、教育費のピークと返済が重なる年、金利が上がった場合、収入が減った場合でも家計が持ちこたえるか、でしょ。おかねラボなら住宅購入の予定を入力タブに入れると、完済までの毎年のキャッシュフローと資産推移がつながって出る。金利+1%や収入減はもしもタブで試せるから、「借りられる額」ではなく「この先ずっと返せる額」を自分の数字でシミュレーションしてから決めるのがおすすめだよ。※特定のローン商品や借入先をすすめるものではないよ。
出典(一次資料)
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