税・口座応用 ・ 約3分金融資産運用制度確認: 2026年8月
iDeCoとNISA、どっちから積み立てる? — 入口の使い分け
税優遇が厚いのはiDeCoですが、60歳まで引き出せないロックと口座手数料という代償があります。流動性と所得控除の効きで「積立の入口」を整理します。
執筆視点: ファイナンシャルプランナー / 新人研究員ロイがきいて、先輩ポコがこたえる対話形式です
ロイ(新人研究員)
先輩、つみたてを始めようと思って調べたら、NISAとiDeCoって両方あるじゃないですか。どっちも「税金がお得」って書いてあって、違いがよく分からなくて…どっちから積み立てればいいんですか?
ポコ(先輩研究員)
税優遇の「厚さ」だけならiDeCoが上なんだ。iDeCoは①拠出時 — 掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になって、その年の所得税・住民税が軽くなる。②運用中 — 運用益が非課税。③受取時 — 退職所得控除や公的年金等控除が使える。この3段階の優遇が特徴。NISAの優遇は②の運用益非課税が中心だから、「積み立てただけで税金が戻る」のはiDeCoだけだよ。
ロイ(新人研究員)
じゃあ、優遇が厚いiDeCoから枠を埋めるのが正解じゃないんですか?
ポコ(先輩研究員)
そこに最大の代償がある — iDeCoの資産は原則60歳まで引き出せないんだ。教育費や住宅の頭金みたいに60歳より前に使うお金をiDeCoに入れると、「あるのに使えない資産」になる。一方NISAはいつでも売却できて、売った分の枠(取得金額ベース)は翌年以降に復活する。年間の投資枠はつみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円、生涯の非課税保有限度額は1,800万円。税優遇の差は、流動性の差とのトレードオフなんだ。
入口の広さは職業で違う
ポコ(先輩研究員)
iDeCoは公的年金の加入区分で毎月の拠出限度額が違う(2024年12月改正後)。自営業・フリーランスは月6.8万円(国民年金基金の掛金と合算)、会社員で企業年金がない人は月2.3万円、企業年金(企業型DCやDBなど)がある会社員と公務員は最大月2万円(月5.5万円から会社の掛金分などを引いた残りが上限。この改正で公務員などは1.2万円から2万円に広がった)、専業主婦(夫)は月2.3万円。さらに2026年12月からは、自営業が月7.5万円、会社員・公務員は企業年金と合わせて月6.2万円への引き上げが予定されている。自分の枠がいくらかは、勤め先の企業年金しだいで変わるから要確認だよ。
ロイ(新人研究員)
なるほど…あと、iDeCoは手数料がかかるって聞いたんですけど、本当ですか?
ポコ(先輩研究員)
本当だよ。iDeCoは口座を持って積み立てるだけでかかる手数料がある。加入時に2,829円、掛金を納付するたびに105円(2027年1月の引き落とし分からは月120円に見直し)、このほか事務委託先の金融機関や運営管理機関の手数料が別途あって、金額は金融機関によって違う。掛金が小さいほど手数料の割合は重くなるから、拠出時の所得控除でどれだけ取り返せるかとセットで見るのが大事。NISAには、こうした制度共通の口座手数料の仕組みはない(投資信託などの商品側のコストは両方共通ね)。
優先順位は「流動性」と「所得控除の効き」で決まる
ロイ(新人研究員)
結局、ぼくみたいな新人はどう考えればいいんでしょう…
ポコ(先輩研究員)
一般的な整理はこうだ。①まず生活防衛資金(すぐ使える現金)が最優先で、積立はその後。②60歳より前に使う予定のお金はNISAへ — iDeCoに入れると取り出せない。③iDeCoの拠出時控除は払っている所得税・住民税が多い人ほど効く。逆に扶養の範囲で働いていて所得税をほとんど払っていない人は、拠出時の所得控除がほぼ効かないから、NISA先行が有力な一案になる。④その上で、「老後まで使わない」と割り切れる金額だけiDeCoに回すと、3段階の優遇と60歳ロックがかみ合う。どの配分が合うかは家計と年収しだいで、正解は人によって違うよ。
ロイ(新人研究員)
積み立てた後の、受け取るときのことも考えておいた方がいいんですか?
ポコ(先輩研究員)
うん、iDeCoの受取時控除は会社の退職金と受け取る時期の兼ね合いで税額が大きく変わるから、出口は出口で設計がいる — その話は「NISA・iDeCo・特定口座 — どこから取り崩す?」の記事で。おかねラボではiDeCoはいまの残高を口座別内訳に、毎月の掛金は「毎月の積立」に含めて入れる形で、資産推移から老後の取り崩しまで通しでシミュレーションできる(積立の自動配分はNISA優先)。積立額を変えたらどうなるかは、もしもタブで試してみて。
出典(一次資料)
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